タイかぶれ食堂の由来

今日はタイかぶれ食堂の由来について話したいと思います。

自分のお店を持つときにこだわりたいのが店名です。

自分のお店を開店しようと思い決断したのですが、店名を決めるのにはすごく悩みました。

まず売れるお店の店名とは?から調べました。最初に納得いったのが、売れるお店は店名がお店にリンクしているといったものでした。そのお店の店名を聞いたときにどんなお店なのかかがすぐわかるというものです。また電話で応対する時やお客さんが名前を覚えやすいもの、文字数が極端に短いのや、長すぎるものは避けようと考えてました。           

自分がどういうお店をやりたいかと考えたとき、来店しやすいお店はどんなお店なのか、タイ料理を知らない人にも安心して利用してもらうにはどんな店が良いのかなど、いろいろ思いめぐらせました。

考えているうちにこんなお店にしたいなと、頭に浮かんだのがタイでよく利用した大衆食堂です。

タイで日常的に利用されている大衆食堂のイメージは、綺麗ではないけれど、親近感がわき、活気があって、まるで毎日の習慣のように何も考えずにお店を利用しているといった感じ。このイメージが自分の理想にピッタリでした。出店候補地はオフィス街を考えてましたので、近くに務めている会社員やOLが週に5回利用してもらえるような店にしたいと考えてました。

「よ〜しお店のイメージは決まった!名前はどんなものにしよう?」

わかりやすい名前というのが念頭にあったので、まず日本にあるいろいろなタイ料理店の名前を思い浮かべました。「サワディ」などタイ語で親しみのある意味の名前の店だったり、タイ語でかっこいい名前の店だったりタイ語での意味はすごいのだけど、その名前を見てもタイ語の意味が分からないと全く伝わらない店だったり・・・

僕はタイ料理の中では「ガパオ」というお料理が好きで、好んでよく食べていました。だから「ガパオ」という名称を入れた名前が良いと考えていました。しかしなかなか良い案が浮かばずにいました。

それから、やっぱりタイ語のことはタイ人聞こう!と身近なタイ人に意見を聞いてみました。

あるタイ人は「タイの9がすごく縁起が良い数字だよ!王様のこともみんな慕ってる。バンコクにある駅名にちなんだ名前でラーマ9が良いんじゃない?」

別のタイ人は「タイにある総菜が並んでいてそこから好きなものをご飯にかけてもらうスタイルを意味するカオゲーンなんかどう?

またまた別のタイ人は「ちょうど良いという意味のポーディーなんかはどう?」などなど

いろいろな意見を聞きましたが、良いなと思う名前は、既に使われていたり、少し伝わりづらいんじゃないかとピンとこなかったりでほとんど断念

タイ人達からいろいろアドバイスを聞き、悩んだあげく、ようやく考えぬいたのが「ガパオピセー」「イサラ」という名称でした。

ガパオピセーとはタイ語で直訳すると特別なガパオという意味でした。お客さんからのオーダーをタイ人のコックに伝える時、「ガパオピセー ヌン」と伝える時があるのですが、注文時のガパオピセーはガパオ大盛りだったりします。もう一つの候補、イサラとはタイ語で自由という意味で、結構気に入っていました。当時はまだ経験も浅く、理想ばかり思い浮かべてました。もともとタイ料理だけでなく、タイの雑貨類が好きだったのですが、自分の新しいお店は、飲食店だけでなく、タイの置物や日用品、衣類なども展示できて、飲食だけでなくいろいろ楽しめるお店にしたい、自分の好きなように自由になんでもできるお店にしたいと思い、最終的に店名を「イサラ」に決めました。

早速家に帰り奥さんに伝えました。「店名はイサラに決めたよ」と自信満々に伝えたところ、彼女は少し考えこんで「イサラというのはどんな意味?」「イサラだけだとなんの料理店かわからない」など核心的なことを、ズバリといわれてしまいました。

迷った挙句、せっかく決まった名前をダメ出しされたので、少しショックは受けましたが、考えてみたら来店するお客さんは、なにもタイが好きな人だけではなく、タイのことは知らない、タイ語なんか聞いたことない、タイのことには興味がないという人だらけなんだよね。そもそもここは日本だし、ならば日本語の名前にした方がいいのかもと、改めて考え直しました。

当時タイ料理店で働いてましたが、僕は料理の事だけでなく、タイのこともまだまだ知らないことばかりで、タイに住んだこともないので、毎日新しいこと、知らなかったことに出会う日々でした。料理もものすごくおいしい料理に出会うと、この料理絶対流行る!と思って、何も考えずにお店のおすすめメニューに取り込んでも全く売れなかったり、これは売れないんじゃない?などとタカを括っていた料理がものすごく売れたり。タイ人の習慣、発想や話し方に驚きや楽しさを感じたり、そんなタイ料理店での出来事を楽しんでいました。そのような体験を日本語の店名に生かせないかなとか考えていました。

「なかなかいい案が浮かばないな、いざ日本語の名前にするといってもなかなか難しいぞ!」とやっぱり当初の通りタイ語の店名でいこうかなどと思い始めた頃、ふと大手携帯電話の宣伝で、犬に扮したお父さんが「ローマかぶれが!」ってCMやっていたのを思い出して、このフレーズいいなとかぶれって曖昧だけど伝わりやすいなって思いました。そして、タイ料理を開店する自分もまだまだタイの知らないこといっぱいあるし、偉そうにタイのことはなんでも聞いてくれとは全然言えない。これからタイが好きなお客さんも多く来店するだろうし、そんな人達に教わることも多いだろう。自分なんかまだまだ初心者だし、謙虚であろうとの思いこめて「タイかぶれ食堂」という店名ができあがりました。

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